いよいよ幕を開けようとする、ポストPCの時代。Web制作者にも変革の波がやってきます。さて、どうしたらいいのでしょうか?
ポストPCの時代にWebデザイナーはどう備えるべきか
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いよいよ、ポストPCの時代がやってきた。
「マイクロソフト、iPad攻略作戦を開始」という記事をよみました。本田 雅一(@rokuzouhonda)さんの記事です。そこのなかに、面白い記述がありました。
北米を中心にしたiPadの浸透は急進的なもので、個人が所有し使うコンピュータという意味でのパーソナルコンピュータは、WindowsパソコンからiPadへと移り変わろうとしている。10インチ前後の画面サイズを持つ端末の大多数はiPadであり、他製品が手出しできないほどの存在感になってしまった。
というくだりです。ちょっと調べてみたら、ロイターの記事にも、「「アンドロイド」のシェア、16年に「ウィンドウズ」上回る見通し」という記事などもありました。実際、スマートフォンもすごい勢いで成長してきていますが、タブレットも成長率では負けていません。PCのシェアがどんどんタブレットやスマートフォンに浸食されることは間違いありません。
いままでの常識が通用しなくなった。
いままでは、フューチャーフォン(いわゆるガラケー)の影響で、「このサイトや広告はスマートフォンだけで」「このサイトや広告はPCだけで」という考え方がありましたが、もはやそういう時代は終わりました。
スマートフォンやタブレットのユーザーは平然とPCサイトも閲覧します。そして必要ならば(見にくい・入力しにくいという不満をもちつつも)商品も購入します。
つまり、利用シーンが多様化しているということです。場合によっては、PCよりもスマートフォン・タブレットからの購入が多くなっているけーすもあるはずです。
「アメリカ:急成長のモバイルコマース」という記事には、さらりと「iPhoneやiPadのユーザーの購入単価がデスクトップPCユーザより遥かに高い。」と書かれています。
実際、海外ではモバイルで飛行機とか買った人もいるらしいです。
レスポンシブWebデザインでも成果が上げられる
さて、レスポンシブWebデザインはまだまだやらなくてもいいやと思っている人もいるかもしれません。
海外では、ニュースサイト・政府機関やショッピングサイトまで、レスポンシブWebデザインのサイトが増えてきました。Time、Currys、GOV.UK(イギリス政府)などが、レスポンシブWebデザインを採用しています。
「Skinny Ties and responsive eCommerce」という記事によると、あるサイトでレスポンシブWebデザインでリニューアルしたら、滞在時間、収益率、コンバーション率がアップしたそうです。特にiPhoneの収益率がそれまでの377%(3.7倍)になったとか。
ディレクターも、デザイナーも、変わらなければいけない。
レスポンシブWebデザインのように、スマートフォンもタブレットもPCもすべて包有するサイトも出てきました。そうなると、Webサイトの制作や広告とかの扱いはどうするのよ、という話になってきます。
いままでの前提をすべて取り払って考えるべきです。モバイルだから、デスクトップだからという考えは捨てないといけないでしょう。
作り方は変わってきます。まず間違いなしに。それはデザイナーだけが対応できる話ではありません。デザイナーだけでなく、企画部分から考えていけなければいけないと思います。
まとめ
デザイナーやコーダーも、いままでのようにビジュアルデザインだけ、コーディングだけという棲み分けはできなくなりました。いろいろな人の仕事を見ても、「一つの領域だけだと通用しなくなってきた。デザイナーだとデザインだけでなくUXの知識も必要になるシーンが増えた」などと感じることが多くなりました。
Windows 8のようにタブレットもPCもすべて包有するOSもでてきました。(このOS、たぶん振り分けなどでは通用しないと思うWebデザイナー泣かせの機能も入っているのですけど。)
こういうOSがでてくると、今までとは違った制作手法が求められてくるかと思います。新しいビジネスチャンスも待っているのでしょうけど。
これからのWebデザイナー・Webディレクターのワークフローは変わります。もしかしたら、いままでのやり方から切り替えるのに思考がついていけなくなるかもしれません。それほどの変化になるのではないでしょうか。